~よくみながするセカイケイの物語を吾もしてみんとおもふ~
今朝、こんな夢を見た。
ため池のような中川運河の水が
山のように盛り上がり
川下のほうから蒸気船にのった白楽天があらわれる
白楽天は自転車のペダルを漕いで
鵜のかたちをした真っ黒な船は
蒸気船なのに、なぜだか積んでいる
クーリングタワーから
黙黙と白い煙をあげている
白楽天が漕ぐペダルのリズムに合わせて
鵜頭のくちばしが開閉し
吸い込んだ水と一緒に
ぼらが吐き出される
やがて
松重閘門のほうから
貧しい木舟にのって漁師に化身した
住吉明神が
ボロ布をまとい
全身、胡粉を塗ったいでたちで
あらわれ
白楽天と問答する
東に、高速道路と松重閘門
西に、名鉄電車と新幹線
南向き
中間にある絶好のロケーションの
森石油の屋上からは
左目が住吉明神をとらえ
右目が白楽天をとらえ
左耳が住吉明神の謡をとらえ
右耳が白楽天の謡をとらえ
問答がよく聞こえるはずなのに
新幹線の走る音にかき消され
はっきりと聞き取りにくい
問答は四年もつづいた
けっきょく
問答の内容は
よく聴き取れないままに
いつのまにか鏡面にもどった運河を
白楽天は名古屋港に向かって
去っていった
中川運河白楽天図屏風の段
2015年3月11日 14:46