食いしん坊の松重鷺太郎は
材木屋の甍の海で繰り広げられている擬攻撃を見ていたある日、
古い文献で知った信州上田あたりのまぼろしの伝統料理「烏田楽」を一度食べたいと思つていたので、
青鷺を囮にずくびき猟ができないかと考えました。
「鷺びき」です。
しかし近代人である鷺太郎はすぐにこの効率の悪い猟を見直します。
週に二回集荷される生塵を餌に使ったほうがよほど効率的に烏を捕まえることが可能だからです。
たとえその猟が美しくなかったとしても効率を彼は選択したのです
松重閘門を縄張りとする青鷺は、時にカラスからの擬攻撃を受けます。
青鷺に擬攻撃を仕掛けるカラス。
猛禽類、梟などに擬攻撃を仕掛ける烏。
この烏もまた椋鳥などの小鳥集団に擬攻撃されるのです。
【擬攻撃】
運河沿いの本当にさわやかで心地よいさつき風の通るラボにて。
私の眼はといえば、対岸の材木屋の屋根で繰り広げられているカラスの擬攻撃(モビング)に釘付けである。
カラスは自分より大きな鳥が現れると猛禽類などにも嫌がらせを仕掛け追い払おうとします。彼らはいつも一羽ではなく、二羽で、あるいはそれ以上の集団でやってきます。
ここをテリトリーにしているアオサギは相当頭にきてるらしく黒い冠羽がモヒカンのように垂直に逆立っています。
最終的には「相手にしとれん!」と去っていきました。
約1分間の中川運河甍海劇場は運が良ければ中川運河沿いでも見ることができます。
カラスのモビングは集団的自衛手段です。
一方で、このモビング(擬攻撃)を利用した狩猟法=木菟びき(ずくびき)というものがあります。フクロウやミミズクを囮にカラスを捕らえる狩猟法で、信州上田のあたりでは「カラス田楽」なる食べ物があったそうです。
2015年5月2日 15:00